COLAプロジェクト
COLAプロジェクトタイプを選ぶと、選択した接近データメッセージ(CDM)を用いて、衝突回避マヌーバの設計と評価を行うことができます。このタイプのマヌーバプロジェクトには、プライマリ物体の接近事象に関するリスク分析に加え、影響を受ける可能性のある第三の物体の分析も含まれます。
COLAプロジェクトの作成
COLAプロジェクトは、Conjunction Event CDMに含まれるデータから作成されます。オペレーターは各接近事象ページから直接マヌーバデザイナーを開いて、プロジェクトを自動作成するか、マヌーバデザイナーのダッシュボードから手動でプロジェクトを作成できます。
- 接近事象に対してプロジェクトが既に存在する場合、プロジェクトページが自動的に開かれます。
- それ以外の場合は、新しいプロジェクトが作成され、該当する接近事象ページとリンクします。
追跡データへ変更や修正があった場合、プロジェクト設定からリンクされたCDMを手動で更新したり関連付けをして、変更内容を反映させることができます。
プロジェクトの自動生成
Satcat Operationsがマヌーバ可能なRSOに対して高リスクのCDMを受信した際に、オペレーターの組織はCOLAプロジェクトの自動生成を有効にすることができます。
設定方法:
- Control CenterからGroup Settingsに移動します
- Pc、MD、TCA近接度のしきい値を設定します
- Auto-generation of COLA Tradespacesを有効にします
自動生成は、Control Center内のAll RSOsメニューで衝突回避可能とマークされたRSOにのみ適用されます。
COLAマヌーバのワークフロー
各COLAプロジェクトは3つのステージで構成されます:
- 計画 — マヌーバのタイミング、方向、範囲を設定
- トレードスペースの結果 — マヌーバグリッド全体のリスクメトリクスを表示
- 高精度なシミュレーション — 完全な力学モデルでマヌーバ計画を軌道伝搬する
計画
Plan Maneuverタブでは以下を設定できます:
プロジェクト設定
- プロジェクト名とバリアント名
- CDMの割り当て(更新されたCDMを考慮して再割り当て可能)
プライマリ・セカンダリRSO設定
- CDMの状態データのソース元
- 物体の半径(HBR)の選択
HBRの値はオペレーターによる入力、信頼できる第三者のデータセット(例:NASA CARA)、そしてCDMから導出され、全ての衝突確率の計算に使用されます。SatcatのHBRデータベースについて詳しくはこちら。
マヌーバ設定
- 開始/終了時間範囲(TCAの72時間以内)
- 点火時間の密度(軌道ごとに8サンプル以下)
- Delta-V範囲(選択した方向±10cm/s)
- マヌーバ不確実性(高精度シミュレーションでのみ使用)
Save and Runをクリックして、新しいバリアントジョブを作成します。
接近事象ページからマヌーバデザイナーを立ち上げると、デフォルトでバリアントジョブ1が自動生成されます。
トレードスペースの結果
トレードスペースを可視化し、点火時間とdelta-Vの大きさによるリスクの変化を示します:
プライマリ物体のメトリクス
- 衝突確率 (Pc)
- 最接近距離
- マハラノビス距離
インタラクティブな等高線プロットが表示され、点ごとの詳細を確認できます。各メトリクスはプロジェクトで定義されたHBRを用いて計算されます。
三次リスク評価
Satcat Operationsは、以下のような値を用いて、マヌーバの候補それぞれが他の接近事象に与える影響を評価します:
- 累積Pc:
1 - Π(1 - Pc_n)
- 他のCDMにおける最接近距離の最小の値
評価されるCDMは以下の条件を満たす必要があります:
- プライマリ物体のデータのソースを共有していること(例:O/O、HAC)
- Pc ≥ 1e-8 かつ MD ≤ 5 km
- CDM作成から2日以内で、TCAがマヌーバウィンドウ終了時刻から7日以内であること
高精度なシミュレーション
マヌーバの候補を選択すると、オペレーターはより精密なシミュレーション環境を生成できます。結果を精密化すると、Satcat Operationsが以下のようなことをします:
- 衝突回避マヌーバを実施した場合のリスクメトリクスを、高精度な衝突確率の手法で再計算する
- 元の接近事象にリンクされた
THEORETICAL
CDMの出力 - ダウンロード可能なCCSDS OPMファイルの作成
生成されたマヌーバ計画はHi-Fi Maneuversセクションに表示され、関連する接近事象ページにも表示されます。