Asset Management
Asset Management(保有する衛星の管理)ページでは、ユーザーが保有する常駐宇宙物体 (RSO) の設定データ (物理パラメータ、衝突回避能力のカテゴリ、推進システムなど) を管理、編集することができます。このデータは、軌道伝搬や衝突回避マヌーバの計画、そしてオペレーター間で宇宙交通調整(STC)を行う際に使われます。
Constellations(衛星コンステレーション)
Asset ManagementやConjunctionsページでは、保有する衛星を衛星コンステレーションとしてまとめて管理することができます。衛星コンステレーションはあくまで衛星を管理しやすくする機能であって、タスク割り当てやスクリーニング、通知の際には影響がありません。特徴をまとめると、
- 衛星コンステレーションは組織的なグループ分けの仕組みにすぎません。
- 衛星コンステレーションを削除しても、関連する保有衛星のデータには影響しません。
衛星コンステレーションは、Control Centerページ > Groupタブを選択し、Manage Group Settingを選択 > Constellationセクションから作成することができます。 それぞれの衛星は複数の衛星コンステレーションへ追加することができます。
Assets(保有している衛星)
Asset Managementへ登録された各衛星は、それぞれに紐づけられたNORAD IDまたは仮のIDで管理されます。この保存されたデータをAsset Recordと呼びます。Asset Recordで設定された値は、軌道決定、軌道暦の伝播、衝突評価、および衝突回避マヌーバの生成に使われます。
衛星のID
各衛星は以下のように、IDと名前で管理されます:
norad_id
: 衛星カタログ番号common_name
: Space-Trackから取得
このフィールドは、外部のカタログデータをもとに表示されます。誤りがある場合は、support@kayhan.spaceまでご連絡ください。
軌道制御の能力
この設定は、対象の衛星が軌道制御の能力を持っているかどうかを判断する基準となります。以下の2つの方法で設定を変更することができます:
- Space-Trackから自動同期 (デフォルト)
- 手動での上書き設定: Maneuverable(軌道制御可能) または Non-maneuverable(軌道制御不可能)
この設定は、接近評価、テンプレートの選択や他オペレーターとの協調を行う際に使用されます。
Satcatは、登録された衛星の軌道制御の能力と推進方法をもとに、SSCの軌道制御のカテゴリを割り当てます。
推進方法
登録された衛星の推進方法も、Asset Recordへ保存されます。Satcat Operationsでは、この推進方法をもとに、SSCが定める軌道制御カテゴリの割り当てやどのように軌道制御を行うか定義します。対応している推進方法の種類は以下の通りです:
- 相対またはソーラーセイル
- 低推力スラスタ、低Duty比での制御
- 従来型の推進
さらに、オペレーターは衛星が衝突回避を自律的にオンボード処理を行えるかどうか指定することもできます。
物理パラメータ
各衛星の宇宙機パラメータは、軌道暦の伝播や、衝突リスク評価、および衝突回避マヌーバのトレードスペース分析中に使用されます。これらの値は、Satcatの軌道決定サービスから自動的に更新されます。
フィールド | 単位 | 必須 |
---|---|---|
物体の半径 (HBR) | m | はい |
質量 | kg | 任意 |
抗力面積 | m² | 任意 |
抗力係数 | — | 任意 |
SRP面積 | m² | 任意 |
SRP係数 | — | 任意 |
HBRの値は、オペレーターの入力、信頼できる第三者のデータセット (例: NASA CARA)、そしてCDMから用いて、全ての衝突確率の計算で利用されます。詳しくは、SatcatのHBRデータベースをご覧ください。
未相関オブジェクト
打ち上げおよび初期運用フェーズ (LEOP) では、まだ正式にカタログ登録されていない衛星は、799
から始まる9桁の一時IDで追跡される場合があります。このIDは、物体にまだ紐づけられていない、センサーから取得したデータやオペレーター提供のデータとともに使用されます。
- 一時IDは、
799
の数字から始まらないといけません。 - 一時IDの付いた衛星を用いて軌道決定や接近評価を行うことは可能です。。
- NORAD IDが割り当てられると、一時IDとのリンクが解除されます。
カタログ未登録の衛星もAsset Managementに表示され、他の衛星と同じ設定パラメータを利用することができます。
Sensor Task オブジェクト
sensor taskによって追跡された衛星は、組織外のRSOであっても、自動的に組織のAsset Managementページに追加されます。sensor taskのパラメータは読み取りのみで利用でき、オペレーターが変更することはできません。