解析プロダクト
Satcatの分析プロダクトは、可否(Go/No Go)判定、軌道制御マヌーバの計画、接近事象の分析を行うオペレーターに不可欠なグラフを提供します。このプロダクトには、インタラクティブなトレンドプロット、入力感度ツール、接近ジオメトリを可視化したものが含まれます。
接近事象ページ(Conjunction Event page)のプロット
各接近事象ページの下部にある2Dプロットセクションでは、CDMから導出されたメトリクスの時間的推移を分析するための、個別選択および並列表示が可能なプロットが表示されます。
最新のトレンドデータは、前回のCDMからの変化量(デルタ)と共にハイライト表示され、オペレーターが新たなリスク傾向を特定するのに役立ちます。
リスクトレンド
Satcatでは、以下のリスクメトリクスのプロットが時系列で表示されます。
- 接近衝突確率(Pc)
- マハラノビス距離
- ΔTCA - CDMレポート間のTCAの推移を示したプロット
プロットはインタラクティブで、該当するプロットには不確実性範囲が表示されます。
最接近距離の推移
最接近距離を構成する以下の各成分が、プロットで表示されます。
- Total RSS(RIC成分の二乗和平方根)
- 放射方向成分
- 進行方向成分
- 法線方向成分
各成分のプロットでは、1σ不確実性範囲が半透明で表示されます。
データ感度
Satcatでは、変数入力に対するリスク指標の変化を可視化するプロットが主に2つあります:
希薄領域
共分散の変化に対する衝突確率(Pc)の応答を示します。共分散が大きい場合、ノミナルPcは実際のリスクを過小評価している可能性があります。 曲線は、対数スケールで表した共分散を横軸としてPcをプロットしたもので、最大Pcが表示されています。
最大Pcより左側にあるノミナルPcは、信頼性の高いリスク評価を示します。 右側にある場合は、リスクを過小評価していることを示します。
物体の半径に対するPcの変化(HBR Sensitivity)
合算されたHBRに対するPcの変化を示します。第三者のCDMが一般的な、または推定されたオブジェクトサイズを使用する場合の仮定を評価するのに役立ちます。 第三者が提供するCDMで汎用的または推定された物体サイズが使われている場合、その仮定を評価するのに便利です。
HBR値はAsset Management内ので確認および更新ができます。
接近時の幾何学関係
以下のプロットは、接近時の幾何学関係を可視化したものです。
B-平面
相対速度ベクトルに対して垂直な遭遇平面を示します。主対象(primary)の不確実性楕円を、副対象(secondary)の位置に対してプロットします。
- 合算されたHBRの境界も表示されます。
- マヌーバプランが作られている場合は、マヌーバ前後のオーバーレイも利用できます。
近接時の二次元平面
TCAにおける両RSOと、それぞれの1σ不確実性楕円を遭遇座標系で表示します。
特に相対速度が低い場合や分散が傾いているなどの場合において、接近時の幾何学関係を評価するために使用されます。
3D Orbitビューア
RSOの時間経過に伴う動きを可視化した図で、以下のようなメトリクスを表示します。
- 3D慣性座標または2D地上トラックでの表示
- TCA(最接近時刻)を中心にした再生や早送り・巻き戻しに対応
- 1σの共分散楕円を表示
- 衝突回避マヌーバの計画がある場合はオーバーレイを表示
これにより、接近事象の推移やリスクをより深く理解することができます。
参考ドキュメント: